かじっていいおもちゃですか?

2024.1.11

こんにちは、獣医師の工藤です。

皆さんは普段どのようなおもちゃをわんちゃん ねこちゃんに与えていますか。

今回は日々の診察の中で出会う、少し注意が必要なおもちゃについてお伝えします。

先日、「木のおもちゃを与えたら破片が口の中で刺さって痛がっている」というわんちゃんが来院しました。

おもちゃをかじっていた後からしきりに口の中を気にしてくちゃくちゃとする様子が見られ、なんとなく元気がなくなってしまったとのことです。

このわんちゃんはお口を痛がり、診察室内でも触診を嫌がり咬もうとする様子が見られたため、鎮静処置を行い、お口の中の精査を行いました。

金属の道具の先端の部分にちいさな木片が挟まっていました。一部がとがっていたため、そこに触れたと思われる舌が部分的に赤くなってしまっていました。

処置自体はとても短時間で済みましたが、できることならこのような不安がなく、安心、安全なおもちゃで遊んでほしいですよね?

そこでどのようなおもちゃがどんな危険が伴うのか、少しですが紹介いたします。

与えると注意が必要なもの

①硬すぎるおもちゃ

よく、ペットショップなどに行かれるとおもちゃ(おやつ)として鹿の角や牛の骨が売られていますが、これ、実は危険なんです。

わんちゃんたちは喜んで骨や角をかじるかもしれません。しかし、わんちゃん、ねこちゃんの歯は骨や角を簡単にかみ砕けるほどに硬くありません。時には歯が負けて欠けてしまうこともあります。

実際、お口を痛がると受診された患者さんで不自然に奥歯だけが欠けていることがあります。そして、お話を聞くと日常的に硬いものを噛ませていたということは多いです。

同じ理由でチーズをカチカチに固めた棒状のおやつやプラスチック製のおもちゃも危険な場合があります。

また角のおやつはいずれ小さくなっていきますので、最終的に丸呑みしてしまった、というトラブルも過去にはありました。

欠けた歯は菌に感染しやすくなり、膿んで痛みを伴いますので麻酔をかけて抜かなければならなくなってしまいます。

実はうちのわんこも昔は鹿の角が大好きでしたが、歯が欠けることがあると聞いてすぐにやめさせました。

②簡単に砕ける ボロボロになるおもちゃ

硬くなければいいかと言えばそうではありません。今回の症例の子のように簡単に砕けるおもちゃでもかけらが出れば誤食につながります。小さな破片でも腸の粘膜を傷つけることもありますので注意が必要です。

また、布製のおもちゃも簡単に壊れてしまったり、破れたり裂けたりすると夢中になっているうちに綿や切れ端を飲み込んでしまうかもしれません。

知らないうちに飲み込んでしまうと胃内異物になり嘔吐を引き起こしたり、場合によっては腸に詰まってしまい、手術が必要になるかもしれません。

うちのわんこは布製のおもちゃであれば数分ですぐに破壊してしまうので遊んでいるときはずっと様子をみて、壊れてきたら潔く捨てるようにしています(笑)

③ひも状のもの

これはご存じの方も多いかと思いますが特にねこちゃんはひも状のおもちゃが大好きです。しかし夢中になって遊んでいるうちに飲み込んでしまうことがあります。ねこちゃんの舌の表面は小さなトゲがたくさんあり、食べ物(獲物)を飲み込みやすくなっていますがこれがひも状の異物に引っかかると本人の意思とは関係なくどんどんと喉の奥に入って行ってしまいます。

わんちゃんもねこちゃんもひも状の異物を飲み込んでしまうとそのまま腸管に流れてしまうことがありますが、腸管内でひも状の異物は腸に引っかかり、腸をねじれさせたり、ひどい時には腸が裂けてしまうこともあります。このような場合には通常の異物摘出の手術よりも広範囲に腸を切開する必要が出てきますので本人にとってもとても負担が大きくなってしまいます。

ここまで注意が必要なおもちゃ、おやつを紹介してきましたが、ではカミカミしたい子にはどのようなおもちゃ、おやつを与えればいいでしょうか。

おすすめは程よい硬さのガムです。両手で少し曲げてみてしなるくらいが歯に負担をかけずに噛みたい欲求を満たせるおやつです。

また、太めのロープを編んだおもちゃでの引っ張りっこや以前紹介したノーズワークを使って頭を使う遊びもわんちゃんねこちゃんの欲求を満たしてくれますよ。

雨の日も、高齢の子も遊べる!自宅でノーズワークしてみませんか? | 白石区・東区 – 札幌市白石区のきたのさと動物病院 併設札幌どうぶつ皮膚科・耳科センター (kitanosato.com)

安心安全にわんちゃんねこちゃんと遊びましょう!

\今年もよろしくお願いします。ガオー!/

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