目が白くなってきた…?
2023.3.10
こんにちは。獣医師の今地です。
「最近うちの子、眼が白くなってきた気がするのですが…」
日々の診察中に飼い主様からよく相談されることの一つです。
眼が白くなってきたら白内障なのかな? 白内障ってなにもしなくて大丈夫なの?と何かと不安になるかと思います。
私たちが日々の診察の中で「眼が白い」と言われ、考えられる病気は
・角膜の炎症
・角膜ジストロフィー
・白内障
・水晶体核硬化症
多くの場合が上に示す病気に当てはまると思います。
この中で、今回は白内障についてお話していきたいと思います。
眼を横から見るとこのような形になっています。

皆さんがよく耳にする白内障は水晶体(レンズ)の部分に問題が起こってきます。
原因は様々ですが水晶体の中にあるタンパク質の構造が変化し、膨張したり中身の繊維が切れたりして混濁してしまいます。

白内障はそれだけでは大きな問題にはなりません。
進行すれば視力の低下を招くかもしれませんが、わんちゃん、ねこちゃんはお家の中では通常通りの生活を送ることができる子がほとんどです。
しかし、白内障にはステージがあり、進行すると合併症を招くことがあります。

・緑内障
・ぶどう膜炎
・網膜剥離
・硝子体変性
・水晶体脱臼
が主な合併症です。
これらの合併症は時に苦痛になることがあるため注意が必要です。

合併症が生じた際は眼が充血して白目が真っ赤になり、眼が痛くなってくるので眼が開けられないようにしょぼしょぼしているときは要注意です。早急な処置が必要になることもあるのですぐにご相談ください。
特に6歳未満で白内障と診断された子は若齢性白内障として、進行が早い可能性があり、合併症に注意が必要です。
逆に高齢になって発症した老齢性白内障の場合は進行がゆっくりなことが多く、定期的な検診で進行度合いをチェックしていれば合併症を発症することなく、一生を終えることができるかもしれません。
当院では若齢性白内障と診断した場合には合併症発症を考慮して白内障の手術を勧めさせてもらうこともありますし、高齢で発症した子に対しては経過観察、白内障の程度が進んできた場合には合併症予防の目薬をお渡しすることもあります。
私自身、白内障についてよく知らない頃は、「白内障って眼が白くなるだけの病気」と思っていました。しかし、実際は大きな問題につながることもある病気です。今一度ご自宅のわんちゃん ねこちゃんの目を見てみてください。 眼が白くなっていませんか? 白目が充血していませんか? 眼を痛そうにしていませんか? 目やにが増えていませんか?少しでもいつもと違う症状、気になる症状がありましたらいつでも当院に相談してくださいね。
きたのさと動物病院 併設/札幌どうぶつ皮膚科・耳科センター
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