耳科の実績

これまできたのさと動物病院で診察してきた犬や猫の耳の病気です。耳の病気は、耳の中を確認することで、様々なことがわかります。獣医療では、耳の病気は未開拓な分野ですが、耳の病気と皮膚の病気はとても深い関係があることがわかっています。当院では、皮膚科の知識を生かしながら耳の病気の診断と治療にあたっています。

鼓膜の汚れ

鼓膜の汚れは外耳炎の原因の1つと言われています。しかし、「原因」というとらえ方を正しくする必要があります。外耳炎がなかなか治らないとき、当院では「原因」を、生まれつきの体質や耳の形(素因)、外耳炎を発症したきっかけ(トリガー)、外耳炎が治らない要因(持続因子)の3つに分けて考えています。多くの場合、鼓膜の汚れは持続因子であり、素因やトリガーではないと思われます。そのため、この汚れをとると改善しますが、素因やトリガーを見つけないといずれ再発します。

フレンチブルドックの外耳炎

フレンチブルドックの耳道は奥がとても狭くなっています。外耳炎を起こすと耳道がはれてさらに狭くなります。中には、少しの刺激で耳道が完全にふさがることもあり、この場合は中耳炎を起こしていることが多いです。フレンチブルドックの中耳炎の症状は気付かれないことが多いです。しかし、治療が難しく、放置していると徐々に悪化するところが大きな問題です。

耳ダニ感染後の鼓膜喪失と中耳炎

長く耳ダニに気付かず治療が遅れた猫です。すでに鼓膜を失っており、中耳をきれいに洗浄すると赤い肉芽が確認できました。この肉芽を除去し点耳薬で治療すると改善。治療終了まで鼓膜は再生しませんでしたが、痛みや痒みもなく大きな支障がなく過ごしています。

フレンチブルドックの膿貯留

フレンチブルドックで時折見かけます。耳の奥に膿が溜まっています。中耳炎を発症していることが多く、顔面神経麻痺、首が傾く前庭症状などを示すことがあります。痛みがで生活に支障がでたり、完治を望むときは、手術が必要になります。

アメリカンコッカースパニエルの外耳炎

耳の奥の耳垢

長く外耳炎が治らなかった原因は、耳の奥に黒い耳垢があり、耳道をふさいでいたことです。耳の中も赤く湿疹がたくさんできています。耳垢を取り除き炎症を抑えていくと治りました。しかし、その後再発したので、もともと外耳炎になる原因があるようです。

キャバリアの滲出性中耳炎

犬の中耳炎は外耳炎が原因で起こることが多いのですが、キャバリアの中耳炎は耳管を介して起こることがあります。この病気は粘液が溜まるのがとても特徴的です。このポリープの原因は不明ですが、中耳炎および外耳炎による刺激だと思われます。

耳介の皮膚炎から始まる外耳炎

外耳炎は鼓膜、耳道、耳介のいずれかから始まります。この写真は耳(耳介)を床にこすることで、耳介から炎症が起こっていると思われた外耳炎です。この場合、点耳薬で良くなっても、耳介の炎症を治療しないとすぐに再発します。耳介の凹凸が目立ち、マラセチア性皮膚炎を起こしやすいときに起こりやすいです。

耳の病気の診断や治療は、これから新しい知見が出てきそうです。これからも写真のご紹介していきます。