動物の歩行異常

2022.1.10

あけましておめでとうございます獣医師の平島です!今年もたくさん勉強して日々精進して参りますのでどうぞよろしくお願いいたします!

本日は動物の歩行異常について書いていこうと思います。

なるべく飼い主様にも気付いていただきたいのでイラストとなぜそのような歩き方になるのか理由もつけて解説していきます!

①前肢と後肢どっちが悪い?その時の立ち方で異常がある部分を探る

両前肢に異常がある場合、後肢に重心を移動させて前肢の痛みを軽減させたいので、前肢間の幅が狭くなり後肢間の幅が広くなります。両後肢に異常がある場合は逆になります。

次に片足だけに異常がある場合、例えば上図の様に左前肢に軽い痛みや違和感などがあるとその足先だけ外向きに向きます。

②前肢と後肢どっちが悪い?その時の歩き方で異常がある部分を探る

上図はヘッドボブと言って、頭部を上下させる歩き方です。この場合前肢に異常があることが殆どです。また、頭は重いので頭が下がった時は、前肢に一番負担がかかるので痛くない方の足を着けています。この動作から左右どちらに異常があるかを見つけていきます。

後肢も同じ理屈です。腰が下がる時、一番後肢に負担がかかるので痛くない方の足を着けています。

③疾患特有の姿勢や歩き方

⑴股関節疾患

マリリン・モンローの様に腰を振って歩くモンローウォークとウサギが両足で飛ぶ様にして歩くバニーホッピングがあります。(モンローウォークは図では伝わりにくいのでyoutubeなどを参照してください…)股関節は伸ばすと痛みが出ます。なので股関節の可動域を下げる→歩幅狭くなるので腰を振って歩く(モンローウォーク)または走る場合股関節は曲げたままになるので両足でぴょんぴょん跳ねる様な走り方(バニーホッピング)になる。

⑵膝関節

膝に異常がある時のおすわりの姿勢です。関節に異常が生じると可動域が下がり曲げれなくなってしまうのでおすわりした際上図の様に外に投げ出した様な座り方になります。この座り方をする疾患で最も多いのは前十字靭帯断裂ですがその他腫瘍などでも同様な姿勢になることがあります。

また、歩行や走る時の異常としては色々あります。よくある疾患として前十字靭帯断裂は患肢を挙上することが殆どです。膝蓋骨内包脱臼ではスキップする様に歩行走行します。ただし脱臼の度合いによって常にスキップしたり時々したりする子もいます。

また、上図の様に内股になる子は膝蓋骨内包脱臼の可能性も考えられます。

⑶アキレス腱

上図右はアキレス腱断裂の図です。この場合図の通りとても特徴的な所見になるので一目で異常に気づけますが問題なのは猫のアキレス腱部分断裂です。アキレス腱は2つの腱で構成されていてその内の片方が断裂するのを部分断裂と呼びます。猫は病院で怖がったりすると腰を落として上図右の様な姿勢になることがあり中々診断が難しいです。そのため怪しいと思った際は自宅内での歩様動画を撮影して下さい。

⑷前肢の疾患

前肢の疾患は後肢の様に特徴的な所見はありませんが関節炎や骨の成長不全などで引き起こされる特徴的な所見があるため上図を参考にしてください。

以上が飼い主様が自宅で前肢後肢の異常を見つける際のポイントを書いてみました。出来るだけ気付いて欲しく頑張って絵を描いてみましたがいかがでしたでしょうか…。著作権などの関係で中々写真や動画は使えなかったのでご理解ください…。

それでは今日はここまでにします。何かあればぜひ本院の獣医師に相談してみてください!


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