腎臓病チェック、血液検査だけで安心していませんか?
2026.7.1
犬猫の腎臓病は、シニア期に気をつけたい病気のひとつです。
特に猫では慢性腎疾患が多く、犬でも年齢とともに腎臓の機能低下が問題になることがあります。
腎臓病は、初期には元気や食欲に大きな変化が出にくいことがあります。
そのため、「元気だから大丈夫」「食欲があるから大丈夫」と思っていても、検査をしてみると腎臓に負担がかかり始めていることがあります。
当院では、腎臓病を早めに見つけ、今の状態を正しく把握するために、血液検査だけでなく、尿検査・尿たんぱく検査・血圧測定を組み合わせた腎臓チェックをおすすめしています。
こんな変化はありませんか?
次のような変化がある場合は、腎臓のチェックをおすすめします。
- 水をよく飲む
- 尿の量が増えた
- 体重が減ってきた
- 食欲にムラがある
- 吐くことが増えた
- なんとなく元気がない
これらの症状は、腎臓病以外の病気でも見られます。
しかし、シニア期の犬猫でこのような変化がある場合は、腎臓の状態を一度確認しておくと安心です。
腎臓病は、血液検査だけではわからないことがあります
血液検査で「腎臓の数値」としてよく確認するのは、BUN、クレアチニンです。
これらはとても大切な検査ですが、この2つだけで腎臓病の全体像がわかるわけではありません。
腎臓の状態を詳しく見るためには、次のような検査を組み合わせることが大切です。
尿の濃さ、尿たんぱく、血圧、リンの値を確認することで、腎臓にどのくらい負担がかかっているか、今後どのような管理が必要かを判断しやすくなります。

尿検査でわかること
尿検査というと、「膀胱炎を調べる検査」というイメージを持たれる方も多いかもしれません。
しかし、尿検査は腎臓の状態を知るためにもとても重要です。
尿検査では、主に次のようなことを確認します。
- 尿をしっかり濃くできているか
- 尿にたんぱくが出ていないか
- 炎症や出血がないか
- 細菌感染が疑われないか
腎臓の働きが低下してくると、尿を濃くする力が弱くなったり、尿にたんぱくが出たりすることがあります。また、膀胱炎や腎盂腎炎のチェックも必要です。
そのため、血液検査だけでなく尿検査を一緒に行うことで、腎臓病の早期発見や進行リスクの評価につながります。
犬猫にも高血圧があります
「犬や猫にも高血圧があるのですか?」と驚かれる飼主様は少なくありません。
実は、犬猫にも高血圧があります。
特に腎臓病の子では血圧が高くなることがあり、高血圧が続くと腎臓だけでなく、眼、脳、心臓にも負担をかけることがあります。
高血圧は、見た目だけではわかりにくいことがあります。
そのため、腎臓病が疑われる子やシニア期の子では、血圧測定も大切な検査です。
腎臓病と診断されたら、IRIS分類で今の段階を確認します
腎臓病と診断された場合、まず大切なのは「今どの段階なのか」を確認することです。
当院では、国際的な腎臓病分類であるIRIS分類を参考に、腎臓病のステージを確認します。
IRIS分類では、血液検査の数値だけでなく、尿たんぱくや血圧もあわせて評価します。
IRIS CKDステージ分類

※IRIS分類は、腎臓病と診断された後に、安定した状態で評価する分類です。
※脱水や急性腎障害、尿路閉塞などがある場合は、まずその治療や再評価が必要です。
尿蛋白クレアチニン比(UPC)と血圧による分類
腎臓病では、尿にたんぱくが出ているかどうか、高血圧がないかも重要です。
尿たんぱくが続く場合、腎臓に負担がかかっている可能性があります。
尿たんぱくがある場合は、尿路感染や出血などの影響がないか確認したうえで、再検査や治療を検討します。
また、血圧が高い状態が続くと、腎機能障害の進行、網膜剥離や失明、けいれんや意識障害、心不全など重篤な状態になることがあります。

腎臓病と診断されたら、何をするの?
腎臓病の管理には、主に次のようなものがあります。
- 腎臓療法食
- 血圧の管理
- 尿たんぱくの管理
- リンの管理
- 脱水への対応
- 吐き気や食欲低下への対応
- 定期的な血液検査・尿検査・血圧測定
腎臓病は、すぐに完治を目指す病気というよりも、進行をゆるやかにし、体調を保ちながら付き合っていく病気です。
そのため、診断して終わりではなく、定期的に状態を確認しながら、その子に合った管理を続けていくことが大切です。
腎臓の療法食が不安な飼主様へ
腎臓病の管理では、食事療法が大切になることがあります。
一方で、飼主様からは次のようなご相談をよくいただきます。
「食べてくれるか心配」
「療法食は高そう」
「今のごはんを急に変えるのが不安」
「多頭飼育なので管理が難しい」
当院では、療法食をおすすめして終わりではなく、その子が無理なく食べられる方法を一緒に考えます。
味や形状の違い、切り替え方、食べない時の工夫、多頭飼育での対応などもご相談ください。
腎臓療法食は、始めることだけでなく、続けられることが大切です。
当院の健康診断と腎臓チェック
フィラリア予防やワクチン接種は、毎年多くの犬猫が来院する大切な予防医療の機会です。
当院でフィラリア予防、ワクチンを実施している方には30%OFFで健康診断を受けることができます。このタイミングで健康診断を受けてはいかがですか?
特に腎臓病は、初期には見た目だけではわかりにくいため、毎年の予防のタイミングで「今年の腎臓の状態」を確認しておくことが大切です。特に7歳を超えるシニア世代ではぜひ健康診断を受けましょう。

健康診断を受ける時のお願い
より正確な検査のために、健康診断の際は以下にご協力ください。
★ 朝食を食べずにご来院ください ★
食後に血液検査を受けると、検査結果に影響が出ることがあります。
可能であれば、検査の8〜12時間前からの絶食をおすすめしています。
★ 尿をご持参ください ★
尿検査をご希望の場合は、検査当日の朝に採れた尿をご持参ください。
尿を入れる容器は当院でもお渡ししています。
難しい場合は、清潔な新品のプラスチック容器に入れてお持ちください。
きたのさと動物病院 併設/札幌どうぶつ皮膚科・耳科センター
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