熱中症にお気をつけください
2022.9.7
やっと涼しくなり過ごしやすい日が増えてきました。
こんにちは。獣医師の今地です。
今日はタイトルの通り、わんちゃん、ねこちゃんの熱中症についてです。
本州出身の私ですが、北海道に住み始めて8年目になり、北海道の予想外の夏の暑さには毎年驚かされています。
北海道出身の友人たちからは「昔はこんなに暑くなかった」なんて話を聞くこともありますが…
さて、今年の夏はいかがお過ごしでしたでしょうか。連日ニュースでは熱中症注意が叫ばれていました。私たちが熱中症になるようにわんちゃん、ねこちゃんも熱中症になります。
では、熱中症とはいったいどのような病気でしょうか。
熱中症とは、気温の上昇などから高熱になり、自分で体温調節できなくなった状態です。
体の中に発熱する原因がないにも関わらず高熱になります。
特に
・高温の環境
・日陰のない場所
・高温の車内
はリスクが高いです。
また、熱中症はどんなわんちゃん、ねこちゃんにも起こる可能性がありますが
特に下記のようなわんちゃん、ねこちゃんは注意が必要です。
- 短頭種
パグ、フレンチブルドッグ、ブルドッグ、シーズー、ペキニーズなど

- 長毛種
サイベリアン、メインクーン、ノルウェージャンフォレストキャットなど

- 肥満のある子
- 高齢の子
- 呼吸器、心臓に病気がある子
具体的な症状は
・呼吸がおかしい(パンティング、変な音がする)
・大量のよだれ
・体が熱い
・血を吐いた、血便が出た
・ふらふらしている、痙攣
・ぐったりしている
などです。
では、もし、熱中症かも?と思ったらどうすればいいでしょうか。
1,意識がはっきりとしている場合には、まず涼しいところに移動させてあげてください。
2,そして極端に冷たくない水で濡らしたタオルなどを体にあてて体を冷やします。
この時、よく冷やそうとして保冷剤や氷など極度に冷たいものをいきなり当ててしまうと体表の血管が縮こまり、体の熱を放出しにくくなってしまうので注意です。
3,上記の処置をしながら病院へ向かってください。
もちろん、意識がもうろうとしていたり、ぐったりしている場合はすぐに病院に連れてきてください。
熱中症は思っている以上に怖い病気です。
体の中にはたくさんのタンパク質がありますが、熱中症になると熱によってタンパク質が変性してしまいます。
ゆで卵はどんなに頑張っても生卵には戻せません。同じように変性してしまったタンパク質は元には戻りません。
ですので、熱中症はなってしまってからどうしようというのではなく、ならないように気を付ける予防がとても大切です。
特にお外に散歩に行くわんちゃんはできるだけ日中の散歩は避け、早朝や日没後の散歩を心がけてあげるといいかと思います。
わんちゃんたちは地面との距離が近いのでアスファルトの照り返しから私たちが感じるよりも暑いと感じるそうです。

また、私たちは普段靴を履いて外を歩きますが、わんちゃんたちは裸足です。日の出ているアスファルトに手をついてみてください。思っているよりも地面は熱くなっています。火傷にも注意が必要です。
また、暑い時期は必要最低限の外出を心がけてあげてください。
そして、もちろんお部屋はクーラーで涼しくしてあげてくださいね!
私も昨年、引っ越しでクーラーのない部屋に引っ越しましたが、暑さに耐えかね、すぐに窓に取り付けるクーラーを購入しました。

おかげで愛犬も快適に暮らしています。
今年の残暑、来年の夏に向けて少しずつ準備をしていきましょう!
きたのさと動物病院 併設/札幌どうぶつ皮膚科・耳科センター
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