全身麻酔と歯科処置について
2023.2.10
こんにちは。獣医師の小田です。
いよいよ冬本番となりましたが、昨年ほどの大雪や交通障害にはならず、助かっています。
今回は、全身麻酔と歯科処置についてお伝えします。
犬猫は人と口腔内環境が異なり、虫歯にはなりにくいのですが、とても歯石がつきやすいです。
食べかすを3日放置しておくと歯石になるといわれており、3歳以上の犬の8割が歯周病ともいわれています。
歯垢や歯石は細菌の塊であり、放っておくと、歯周病となり、
歯肉が腫れたり、顔の皮膚に穴があいて膿が出てきたり、くしゃみや鼻汁、鼻出血を生じたりします。
こうなると、全身麻酔下で、超音波スケーラーによる歯石除去を行い、原因となっている歯を抜歯することになります。
成犬は42本、成猫は30本の歯を持っており、抜歯をしなければならない歯が沢山、ということもあります。
また、当院では耳科の検査や治療として、麻酔下でビデオオトスコープを用いた処置を行うこともあり、
同時に歯石除去を依頼されることもあります。
ところが、この「せっかく全身麻酔をかけるのだから、一緒に」というのが曲者です。
というのも、全身麻酔は、かけた回数ではなく、かけている時間が長くなればなるほど、犬猫に負担をかけるからです。
ですので、当院では、麻酔時間が長くなることが予測される場合は、歯科処置を二回に分けたり、
他の処置と同時の歯科処置をお断りすることがあります。
大事なご家族の一員の健康を守るためなので、どうぞご理解ください。
なお、歯科処置は細菌をまき散らすことになるため、皮膚腫瘤切除や開腹手術など、
衛生面を重視する手術の場合は、原則として同時には行っていません。
最後に、既にご存じの方も多いとは思いますが、お知らせすることがあります。
私事ではありますが、2月末を以て、当院を退職することになりました。
当院での勤務期間中、3年半にわたり、一般診療あるいは行動診療を通じて
診察をさせていただいた動物たちと飼い主さまに感謝しております。
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