僧帽弁閉鎖不全症について
2021.5.17
こんばんは!獣医師の平島です。
来月からフィラリアシーズンに入りますね!
それに伴いフィラリア健診をされる飼い主様も増えてきました。
そこで今日は健診メニューの1つである心臓について書いていこうと思います。
心臓でよく目にする病気に僧帽弁閉鎖不全症があります。
僧帽弁とは心臓を4つの部屋に分ける弁の1つで“一方向”に流れる血液が逆流しないようにする扉と思ってください。
まず心臓の機能について…
心臓は全身に血液を送るための重要な臓器です。
血液は全身→心臓→肺→心臓→全身の順で“一方向”に循環してます。
前述した通り、心臓は4つの部屋に分かれており、この中も同様に“一方向”に血液は流れます。
ここからイメージしていただきたいのですが…
僧帽弁という扉の開け閉めが上手く行かなかったらどうなると思いますか?
本来流れてくる血液と逆流してくる血液が合わさることになるので心臓は膨らんでしまいます。
心臓が膨らむと、心臓の上に乗っている気管を圧迫します。
皆様も喉あたりを触ると気管があるのわかりませんか?
そこをグッと押すと咳出ませんか??
つまり膨らんだ心臓が気管を圧迫し咳が出ます。
そして逆流したことにより全身の酸素供給が低下し運動後疲れやすくなったりします。
最終的には複雑なので説明は省きますが肺水腫になり呼吸困難になってしまいます。
基本的にお薬で逆流を軽減及び心臓の負担を減らし“進行を遅らせる”ことが目的となります。
お薬で逆流を止めるのは無理です。
完治を目指す場合は手術を検討する必要があります。
心臓の病気は早期発見で予後に大きく影響してきます。
心臓以外にも色々な病気がありますので、健診を受けて早期発見を目指しましょう!
きたのさと動物病院 併設/札幌どうぶつ皮膚科・耳科センター
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